FF7リメイクは、原作の約6分の1程度のシナリオとなっているため、もちろんエンディングも物語の完結を意味する形にはなっていません。
しかも、エンディングを迎えた多くの人がきっと疑問を抱いたことでしょう。
一体どんな終わり方をしているのか、どんな意味が込められているのか、謎を解き明かしていきたいと思います。
FF7リメイクのエンディング
FF7リメイクのエンディングを語る上で、最終章の状況から順を追って見ていきたいと思います。
セフィロスとの対峙
ハイウェイを越えた先、クラウド一行はセフィロスと対峙します。
何かを知っているエアリスはセフィロスに「あなたは間違っている」と言いますが、セフィロスは動じません。
それどころか、神羅ビルを取り巻く星の運命の番人といわれるフィーラーがクラウド一行に襲い掛かるさまを「運命の叫びだ」と、まるで歓迎しているかのように両手を広げて受け入れます。
黒髪の青年の登場
フィーラーたちに襲われた瞬間、黒髪の青年・ザックスの様子が流れます。やっと故郷に戻って来たらしいザックスの目の前には大量の神羅兵が銃口を向けて待ち受けていました。
クラウドが使っている武器・バスターソードと全く同じ武器を手にし、ザックスが決死の覚悟で神羅兵に向かっていく光景が流れたあと、現実に戻ります。
セフィロスはフィーラーが塞ぐ道に刀で切り目をいれ、「待っている」とクラウドに声をかけて塞がれた道の向こう側へ消えてしまいます。
クラウドが後を追おうとすると、エアリスが「ここ、分かれ道だから」と引き留めます。
運命の分かれ道
エアリスによれば、フィーラーによって塞がれた道の向こう側にいくかどうかは「運命の分かれ道」だという。
何があるのかとティファが聞けば、「自由」と答えるエアリスは何かを知っているように見えます。
そして、星の本当の敵はセフィロスで、みんなと一緒なら止められると思ったから手伝ってほしかったと告白するのです。
「運命の壁に入ったら、越えたら、みんなも変わってしまう」から、行くのを引き留めたんだといいます。
運命を越える
「悲鳴はもう、聞きたくない」と運命を越える決意をしたクラウドに続き、他のメンバーもフィーラーが塞いでいた道の向こう側へ行きます。
何も変わらないハイウェイの道が見えたと思ったところで、フィーラーとの最終対決が始まります。
全てのフィーラーを倒したあと、ついにセフィロスと対決です。この対決はなかなか手強かったと感じた人もいたのではないでしょうか。
セフィロス戦に勝利したクラウドに対して、「まだ間に合う。運命はお前次第だ」とささやき、黒い羽を残してセフィロスは消えました。
変わる運命
神羅ビル内では、父親の後をついでルーファウスが社長となり、研究室からは”ジェノバ”の姿が消えていました。
そして、大量の神羅兵と対峙したザックスはなんとか生き残ります。
「クラウド、見た?」と声をかけた瞬間、大きな爆発とともに光の粒子が降り注いだのでした。
街では人々が協力し合って復興が始まっている光景が流れる中、クラウド一行は荒野にいました。
セフィロスを倒しきれていないと悔しがるクラウドに追いかけることをエアリスが提案し、レッドⅩⅢ・ティファ・バレットも一緒に行くことを決めます。
そこへ、空から雨が降ってきました。
あたりが曇る中、意識のないクラウドを支えながら街へ向かうザックスと、セフィロスを追いかけようとしているクラウドがすれ違います。
他の誰もが気づかない中、エアリスだけが物憂げな表情で通り過ぎるのを受け止めた後、「空、きらいだな」とつぶやくのでした。
エンディングにかけて登場するザックスは誰?
エアリスの回想シーンに登場したり、最終章からエンディングにかけてザックスという黒髪の青年が登場します。
原作を知っている人やFF7ファンの方ならどんな人物かご存じの方もいるかとは思いますが、初めての方にとっては「誰なのか説明がない!」と思ったことでしょう。
ザックスは誰でどんな運命をたどった人物か、見ていきましょう。
プロフィール
ザックスはクラウドと同じで、神羅カンパニーが誇るエリート兵軍団・ソルジャーに所属していたことのある人物です。
ソルジャーには、1st(ファースト)から3rd(サード)まで3階級あり、ザックスはクラウド同様、一番階級が上のファーストに在籍していました。
原作での登場のほか、『クライシス コア ファイナルファンタジーVII』の主人公としてFF7作品に登場します。
エアリスの恋人であり、クラウドとは単なる仲間ではなく親友と呼べる仲でした。
神羅兵に囲まれたきっかけ
原作本編の5年前、ザックスはクラウドとともにとある任務に就いていました。
凶暴なモンスターが出現しているという話を聞き、ニブルヘムという場所へ魔晄炉の調査に訪れます。
ところが、そこでは人体実験の跡とその結果、人間からモンスターが誕生したのではないかと考えられる光景が広がっていたのです。
この調査隊と一緒に行動していたセフィロスは自分の生い立ちに疑問を持ち、人類すべてを憎むようになってしまいました。
セフィロスの憎しみは、ニブルヘムを住人ごと焼き払うという行動へ変換されてしまったのです。
ニブルヘイム事件の後、神羅カンパニーでは事件の口封じのため生き残っていた住民や兵士のすべてに人体実験を施しました。
その後、命からがら逃げたザックスとクラウドがミッドガルへ帰ろうとしていたとき、2人は大量の神羅兵に囲まれてしまったのです。
原作でのザックスの運命
原作では、大量の神羅兵に囲まれたザックスは決死の覚悟で道を切り開こうと戦います。
そして、命を落としました。
意識がはっきりとしないながらも近くに来てくれたクラウドに最期の言葉をかけ、バスターソードを託して永い眠りについたのです。
FF7リメイクで描かれた運命
FF7リメイクのエンディングでは、大量の神羅兵に打ち勝ち、意識のないクラウドを支えながら街へ向かうザックスが描かれていました。
命を落とす運命から、生き残った運命へと変化しています!!
エンディングロール開始に表示された文字の謎
エンディングロールが始まる直前、画面には「The unknown journey will continue」という文字が表示されます。
この英文に使われている英単語には、
「unknown(アンノウン):誰も知らない、未知の」
「journey(ジャーニー):旅」
「continue(コンティニュー):継続する、続く」
という意味があります。つまり、「誰も知らない未知の旅は続く」という文面からエンディングロールが始まっているわけなんです。
この言葉には一体、どんな意味が込められているのでしょうか。
エンディングに注目したところ、ザックスという一人の人物の運命が大きく変化していたことがわかりました。
実は、運命が変化したのはザックスだけではありません。FF7リメイク全体を通しても原作と異なる点は数多く含まれています。
つまり、この言葉の意味は原作をよく知っている人であっても予測不可能な展開が待っていることを意味すると考えられます。
そして、クラウドたちが最終章で倒したフィーラーは星の運命の番人であり、運命と違うことを全力で邪魔をして辞めさせる存在でした。
そんな存在を消し去った後なのですから、決められた運命・決まった運命はないとも言えますね。
今回登場したザックスがこれからFF7リメイク作品にどうかかわっていくかも注目のポイントです!
まとめ
- 最終章では、登場人物たちが「運命」という単語をよく使い、ストーリーを展開している
- 最終章からエンディングにかけて登場するザックスという人物は、クラウドと同じ元ソルジャーで、原作とは異なる運命を辿った
- エンディングロールは、「The unknown journey will continue(誰も知らない未知の旅は続く)」から始まっている
- エンディングロールの英文は、原作をよく知っている人であっても予測不可能な展開が待っていることを意味すると考えられる
- 最終章でフィーラーを倒したことで、決められた運命・決まった運命はないともいえる
FF7リメイクは原作のほんの一部なので、物語が完結したというエンディングにはなっていません。
そして、まだ残っている物語が今までと同じではないことを暗に表現していました。
ザックスのこれからの関わりや、まだまだ描き切れていない登場人物たちの今後がどのように表現され、どんな結末を迎えるのか。続編が楽しみです!