FF7リメイクに登場するセフィロスは、FF7シリーズを初めてプレイする人にとってはクラウドの記憶に時々登場する謎の存在と感じる人物です。
そして、FF7シリーズファンにとってみればお馴染みのボスでもあります。
そんなセフィロスとは一体どんな人物なのか、詳しく見ていきます!
セフィロスの行動から人物像を分析
画像引用:https://www.jp.square-enix.com/ffvii_remake/character/sephiroth.html
セフィロスは神羅のソルジャーの中でも英雄と呼ばれるほどの功績をのこしたキャラです。
くすみのある長い銀髪が特徴で、その長さは腰まであります。一切束ねていないので、個人的には戦う時に邪魔じゃないのかな?と見るたびに思ってしまいます。
肩当ての白と対照的な黒い衣服に身を包んだ、どこか妖しささえ感じる容姿の美青年であるセフィロスとはどんな性格の人物なのか、ストーリー内の行動をもとに分析してみました。
”星”の行く末を心配する青年
セフィロスの初登場シーンはチャプター2の八番街市街地のことで、炎に包まれて崩壊する様子をみたクラウドの前に突如として現れます。
この手で命を奪ったはずなのにと戸惑うクラウドに「さてクラウド、おまえに頼みがある。この星が死のうとしている」と語り始めるのです。
「私たちの星が、消えてしまうのだ」と続けるセフィロスの言葉に、この”星”を心配している様子が伺えますね。
狂気の青年
チャプター2の八番街市街地にて星の行く末を心配する一方で、炎を前にして故郷が焼かれる記憶を思い出しているクラウドへ「星が死ねばこのつややかに燃えるおまえの故郷が消えてしまう」と言い始めます。
さらに、「息子だけは助けてくれと泣きついた女の声、斬り捨てた時の感触さえ、消えてしまうのだ」と続けるのです。
「我々を繋ぐ絆の喪失は、私自身の死よりも耐え難い」というセフィロスに、正気の沙汰ではないどこか背筋が凍るような狂気を感じますね。
不思議な青年
チャプター2の炎に包まれる八番街市街地では「逃げて、生き延びて」と伝える一方で、エアリスと初めて出会うシーンでは「おまえには誰も守れない。自分さえもな」と言います。
逃げて生き延びろといいつつ、誰も守れないと責める発言はどこか矛盾していますよね。
また、クラウドは幾度となく黒いマントの男と遭遇するのですが、その度にセフィロスと会うことになります。
しかも、他のキャラクターたちには見えていないシーンも見られることから、クラウドだけに見える幻影として登場するんですよ。
黒いマントの男は腕に番号が振られており、FF7リメイク本編でわかるだけでもNo.2とNo.49(マルカート)と2人います。つまり、セフィロスという1人の人物と同じになるはずがありません。
それにも関わらず、どの黒いマントの男もセフィロスに見えるというのは不思議ですよね。
セフィロスの謎めいた言動が示す目的とは?
FF7リメイクは原作の一部しか描かれていないこともあり、初めてプレイした人にとっては「セフィロスって一体何者なの?」という気持ちになるかと思います。
また、原作をプレイした人にとっても、「あれ、なんか原作と大きく違うぞ?」と違和感を感じる言動が多数見られます。
セフィロスの謎めいた言動の裏に隠された目的とは一体何なのか?原作のセフィロスを確認するとともに、違和感のあるシーンを辿りながら考察していきたいと思います!
原作に描かれているセフィロスの正体
そもそも原作のセフィロスは、FF7の物語が始まる5年前に自分がどうやって誕生したのかを知って、人柄が変貌してしまった人物として描かれています。
セフィロスは幼い頃から他の人とは違う能力を持っていることに、「自分は他人とは違う、特別な存在」と感じていました。
そんな時、老朽化した魔晄炉の調査のために、ニブルヘイム村を訪ねます。そこで魔晄漬けにされてモンスターへと変貌しつつある人間の姿をみてしまいました。
この出来事がきっかけで自分の出自について調べたところ、「自分の母親はジェノバであり、ジェノバは古代種である」という記述を発見します。
実際は、宝条とルクレツィアの間に誕生した胎児にジェノバ細胞を移植して生まれたのがセフィロスであり、この出来事によりジェノバは古代種ではないことが判明したのですが、この時点ではそのことまでは知りません。
その結果、「われこそ古代種の血をひきし者」と勘違いし、人類を憎むようになってしまうのです。
そして、人類の滅亡を願ったセフィロスはニブルヘイム村にてクラウドの母親とティファの父親を手にかけるなど、非道な行動をとりました。
そんなセフィロスを止めるべく立ちはだかったクラウドによって、命を落としたとされています。
ところがセフィロスの精神は滅びておらず、流れ込んできた星の知識を得てジェノバは古代種ではなく侵略者であり、姿を変える能力を持っていることを知ります。
最終的には、この星を乗っ取るというジェノバの目的と同一化してしまったのでした。
黒いマントの男がセフィロスに見える理由
セフィロスは、宝条とルクレツィアの間に誕生した胎児にジェノバ細胞を移植して誕生した存在でした。
そして、ジェノバは姿を変える能力を持った存在です。
そのため、ジェノバの細胞を持つものはすべてジェノバやセフィロスに姿を変えることができるということになるのです!
その結果、クラウドの目には何度もセフィロスが登場したように見えただけでなく、FF7リメイクの終盤である研究施設『鑼牟』のジェノバポッド前や社長室などで他のメンバーにも見えるようになったのでした。
違和感のあるセフィロスの言動が意味するもの
FF7リメイクのセフィロスは、原作を知っている方ならかなり違和感のある言動をしているなと感じることが多いと思います。
FF7リメイクがFF7シリーズ初めてのプレイだという方も含めて、どこに違和感があり、どんな意味があるのかを考察していきたいと思います!
違和感のある言動①:星を守りたい?
原作では、この星を乗っ取るというジェノバの目的と同一化し、”星”の消滅に関わることになるのがセフィロスです。
ところがFF7リメイクでは、初登場するチャプター2にて「この星が死のうとしている。なあクラウド、力を貸してくれ」と言います。
原作を知っている方なら、「あなたが原因で星は滅ぼされるのに、これはどういうこと?」となるでしょう。
FF7リメイクのセフィロスは原作時の未来を知っていて、今のままでは自分の願いは叶わないので願いを叶えるために「星を守りたい」と言っているのではないかと考えられます。
違和感のある言動②:エアリスの未来を知っている?
また、エアリスとクラウドが初めて出会う時にはクラウドにしか見えない幻影ではありましたが、「おまえには誰も守れない」といいます。
エアリスとの出会いにて「誰も守れない」というのは、まるでクラウドがエアリスを守れなかったことを知っているかのように感じますよね。
さらに、チャプター13の七番街プレート落下後には「また守れなかったな。喪失がおまえを強くする。これでいいのか?」と語りかけるのです。
この言葉にも違和感がありますよね。七番街プレート落下後といえば、エアリスが神羅に連れていかれてしまったシーンでもあります。
つまり、エアリスを再び守れなかっただけでなく、失ったことがあることさえも示しているように感じます。
そして、これでいいのかと語りかけることにより、まるでエアリスが失失われる運命のままでいいのか?と問いかけているようでもあります。
やはり、セフィロスはエアリスと同じようにこのままではこれから何が起こるのかを知っていると考えられますね。
違和感のある言動③:運命を変えたい?
七番街プレート落下後の「これでいいのか?」という問いかけは、未来を知っていると同時に、「運命を変えたいと思わないのか?」ともとらえられます。
また、神羅ビルのビジュアルフロアでは崩壊するミッドガルがクラウドにしか見えない幻として映し出されます。
これもまた、「このままでは原作の運命は変えられないぞ?」と何もせずに話が進んでしまった場合に起こりうる運命を見せつけているように感じます。
さらに神羅ビルの社長室にて、フィーラーがセフィロスに襲い掛かったときも愛刀の正宗で一振りすることで一瞬のうちに消し去っているのです!
運命の番人であるフィーラーを一振りで消し去る様子からも、運命を変えたいという思いがあると考えられます。
違和感のある言動④:フィーラーが成り代わった?
フィーラー本体であるフィーラー=プラエコと戦った後、FF7リメイクのラスボスであるセフィロスと戦うことになります。
このときのセフィロスは「運命に逆らうな」と言うのです。これまで運命を変えたいと思わせるような言動と矛盾していますよね。
実は、フィーラー=プラエコと戦った後に倒したフィーラーをセフィロスが取り込むようなシーンが一瞬あるんですよ。
そのため、このセリフはセフィロスが取り込んだと思われるフィーラーが言ったのではないかと考えられます。
違和感のある言動⑤:「私」と「俺」
FF7リメイク本編でのセフィロスの一人称は「私」でした。
ところが、最終決戦のあと、クラウドとセフィロスが原作で訪れることになる精神世界に似た『世界の先端』というところで対話するときには、「俺は消えたくない」と「俺」が一人称となるんです!
セフィロスの一人称は、ニブルヘイムでの出来事が起こるまでは「俺」であり、その後から「私」へと変化しています。
ジェノバは姿を変える能力を持った存在であるため、その細胞を埋め込まれたセフィロスがジェノバに操られていたのではないかと考えることもできます。
つまり、「俺」を使っているときはソルジャー時代のセフィロスであり、まだジェノバに影響される前の純粋なセフィロスという人格が存在していた時と考えられます。
このことから、「俺」を使っているときのセフィロスこそ、濁りなきセフィロスと考えられます。
「俺」を使うセフィロスは『世界の先端』にて、「気をつけろ。そこから先はまだ存在していない。我々の星はあれの一部になるらしい」というかなり意味深なセリフも言います。
そして、「おまえの力が必要だ、クラウド。ともに運命に抗ってみないか?」というのです。
さらに、「終末の7秒前。だが、まだ間に合う。未来はおまえ次第だ、クラウド」ともいうのです。
これらの言動から、ソルジャー時代の先輩としてクラウドを気遣う姿、運命を変えたいという思い、未来をクラウドに託す様子が伺えます。
そのため、今後クラウドとセフィロスの共闘もあり得るかもしれないという期待が持てますね。
まとめ
- セフィロスは神羅のソルジャーの中でも英雄と呼ばれるほどの功績をのこしたキャラ
- セフィロスは”星”の行く末を心配しつつも、正気の沙汰ではないどこか背筋が凍るような狂気を感じさせる青年
- 逃げて生き延びろといいつつ、誰も守れないと責めるなど言動に矛盾があり、複数いる黒いマントの男を自分の姿に見せることができるという不思議な青年でもある
- 原作のセフィロスは、FF7の物語が始まる5年前に自分がどうやって誕生したのかを知って、人柄が変貌してしまった人物である
- セフィロス誕生のときにジェノバ細胞が埋め込まれているため、複数いる黒いマントの男を自分の姿に見せることができた
- セフィロスの違和感を感じる5つの言動は、未来を知っていることやクラウドとの共闘の可能性を示している
セフィロスは原作では星を滅ぼす元凶でしたが、FF7リメイクでは一変して未来を知っていて運命を変えたいと考えている謎多き青年でした。
FF7リメイクの最後では、意味深な言動とともに姿を消していることから、今後の続編にてセフィロスがどのように登場するのか、楽しみですね。